公開記事

帆秋 慎太郎(Monash低FODMAP栄養士コース修了)
2023.05.15 14:32

FODMAPに関する3つのアプリを紹介&比較!自分に合うアプリはどれ?

ご訪問頂き有難うございます。

みんフォド運営事務局、FODMAP専門ライターの帆秋です。

低FODMAPダイエットについて多くの方から共通してお聞きするのが「実践するのがむずかしい」という言葉です。

確かに低FODMAPダイエットは専門家のサポート無しで取り組むにはハードルが高い食事法です。

しかし、FODMAPに関するアプリを上手く使えば自分に合ったやり方で食生活を低FODMAPにできるケースもあると思います。

FODMAPアプリを使ったことがない人は次のような疑問を持っていることが多いのではないでしょうか?

FODMAPの一覧やレシピを手軽に利用できるアプリってあるの?

低FODMAPダイエットのチャレンジ期の記録を簡単に残せるの?

自分に合ったFODMAP食材リストを作れるの?

今回はこんな疑問に答えてくれるFODMAPアプリの紹介と比較をテーマにまとめています。

アプリの比較のポイント

アプリを比較するときのポイントとして、以下の3つを重視しています。

機能が充実しているか

信頼できる情報か

アプリとして使いやすいか

機能の充実

低FODMAPダイエットをサポートするための機能がどのくらい充実しているかが1つ目のポイントです。

1人では実践が難しいとされる低FODMAPダイエットなので、アプリがどれくらいの助けになるかが使う人にとっては重要です。

信頼性

そのアプリで提供される情報がどのくらい信頼できるかが2つ目のポイントです。

FODMAPについての情報が多く掲載されていても、間違った情報があったりすると低FODMAPダイエットの実践の妨げになる恐れがあります。

情報の信頼性の高さは低FODMAPダイエットをサポートするアプリの重要項目です。

使いやすさ

アプリの使いやすさが3つ目のポイントです。

例えば、充実した機能があっても操作が複雑で時間がかかるようなアプリでは実生活での活用は難しいでしょう。

アプリが使いやすく作られているかもチェックしてご紹介します。

今回紹介するアプリ

3つのアプリの基本情報

Monash University FODMAP Diet app

低FODMAPダイエットを開発したモナッシュ大学(オーストラリア)の公式アプリです。

本記事では「Monashアプリ」と表現します。

低FODMAPダイエットを最初に開発した研究チームから直接提供された情報を元に作られたアプリなので、情報の信頼性は非常に高いと言えます。

以下のような機能が公式ページで紹介されています。

FODMAPが少ない食品と高い食品のガイド

80 を超える低FODMAP レシピ

FODMAPダイエットガイド小冊子のデジタル版

2023年5月9日時点のApple社のApp Storeでは9件の評価があり、平均の評価は星4.8個となっています。

FODMAP研究機関のトップランナーが提供するアプリなだけあって、充実した情報と実践に役立つ機能が盛り込まれているのが特徴です。

Monash大学は商品に対する低FODMAPテストと認定を実施しており、その認定マークと同様のロゴがアプリにも使われています。

App Store でのスクリーンショットのプレビュー

FODMAP FRIENDLY APP

オーストラリアに拠点を置きFODMAP情報サービス等を展開する企業、FODMAP FRIENDLYの公式アプリです。

本記事では「FODMAP Friendlyアプリ」と表現します。

同社独自のテストによる食材のFODMAP判別情報などが提供されており、こちらも情報の信頼性があると考えられます。

以下のような機能が公式ページで紹介されています。

同社の低FODMAP製品認証プログラムとFODMAPダイエットの説明

FODMAPのタイプやレベルが分かる食材リスト

低FODMAPレシピ

2023年5月9日時点のApple社のApp Storeでは概要を表示するには不十分な評価件数となっています。

自社独自のラボラトリーでテストされた食品のFODMAP判定と画面の見やすさが特徴のアプリです。

FODMAP FRIENDLYのロゴは同社の食品テストに基づいた低FODMAPパッケージ食品の認証商標でもあります。

App Store でのスクリーンショットのプレビュー

腸活支援アプリ – フォドマップメモ

おなかが緩くなりやすかったり詰まりやすかったりすることで悩む人が健康状態を見直すための腸活アプリで、KAZUYA KIMURAさんという方がアプリ販売者とされています。

本記事では「腸活支援アプリ」と表現します。

食事の記録を付ける際にFODMAPの高/低を表示する機能があり、以下のような機能がAppストアのページで紹介されています。

食事、排便、排尿の記録

見やすいカレンダー

ウィジェット表示

2023年5月9日時点のApple社のApp Storeでは118件の評価があり、平均の評価は星3.9個となっています。

FODMAPの専門機関が作ったアプリではないのでFODMAP情報の信頼性は定かではありませんが、腸活をする人に必要な記録が簡単に付けられるのが特徴です。

App Store でのスクリーンショットのプレビュー

各アプリの詳細

続いて各アプリの詳細を見て行きましょう。

今回は全てiOS版の詳細となり、2023年5月9日時点で確認できた情報となります。

アプリごとにメリットとデメリットの観点から解説します。

Monashアプリの詳細

😄充実した機能で低FODMAPダイエットを強力にサポート

😞有料、日本語非対応

メリット食品のFODMAP判別が豊富で実用度が高い

Monashアプリは食品の高/低FODMAPの判定のリストが非常に充実しており、穀物の部類だけで約100種類の食品が登録されています(Monashが認証した特定の商品を除いてカウント)。

青、黄、赤の3色でFODMAPへの注意を分かりやすく表現し、判定時のg数の記載も多数掲載されています。

見やすさや実用性が非常に高い内容となっています。

メリット②ダイアリー機能が充実

日々の記録機能も充実しており、以下のような形式に基づいてデータ保存が可能です。

症状をどのくらいコントロールできたか

チャレンジしたFODMAP食材とその結果

ストレス

排便の形状

低FODMAPダイエットをする際に重要なポイントに的を絞った項目が並んでいます。

保存した記録は時系列で振り返ることができるので低FODMAPダイエットの実践を強力にサポートします。

メリット③パーソナライズ機能が搭載

自分のFODMAPの許容度を独自に設定でき、その許容度に従ってFODMAPに関する表示を変えてくれる機能があります。

例えば乳糖で高FODMAPとされる牛乳などの食材が、「自分は乳糖は大丈夫」という設定をすると高FODMAPから低FODMAPの表示に切り替わります。

低FODMAPダイエットチャレンジ期に各FODMAP別の許容度が分かって来たらこの機能を活用し、パーソナライズ期にそのまま移行するのに役立つ機能と言えます。

この機能は他の2つのアプリにはない、Monashアプリ独自の機能となっています。

また、食材のお気に入り登録機能もあるので併せて使うことで低FODMAPダイエットを実践しやすくしてくれます。

メリット④低FODMAPレシピが多く掲載

※この画像はイメージであり、Monashアプリの画面ではありません。

Monashアプリには70件以上の低FODMAPレシピが掲載されています。

欧米の食事が基本になっているので、そのままでは日本では再現できないレシピもありますが、低FODMAPダイエットの参考にすることができます。

メリット⑤ショッピングリスト機能

食品の判別ページからショッピングリストに登録できる機能があり、その際に量も入力することができます。

登録した食品は専用のショッピングリストページで一覧化され、購入できたかのチェックも入れられます。

低FODMAPダイエットの実践の際、献立を考えてお買い物をするのがとても楽になります。

Monashアプリは信頼性があり充実した情報や独自機能が満載な点がメリットでした。

続いてデメリットを見て行きます。

デメリット①価格が有料

アプリは有料となっており、iOS版は$12.99、Android版は¥887という価格設定がされています。(2023年5月9日時点)

リーズナブルにFODMAP情報にアクセスしたい場合はよく検討した方が良いでしょう。

デメリット②日本語に非対応

アプリは英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語複数の言語に対応していますが、日本語には本記事執筆時点で未対応です。

そのため、食品のFODMAPを調べたい時に「これって英語で何て言うんだろう?」となる場面などが想定され、日本語をメインに生活している人にとっては使いにくいポイントとなります。

その他の特徴①Monash認証製品の検索が可能

Monash大学のテストにパスして低FODMAPと認証された製品の検索が可能です。

日本国内の商品では以下の商品が掲載されています。

FODUP(SUNAO製薬)

2023年5月9日時点では上記の低FODMAP対応プロテインの1つのみとなっています。

→FODUP(SUNAO製薬)を購入するならこちら(Amazon)

その他の特徴②栄養士検索機能

Monash大学のオンラインコースを修了した栄養士の資格を持つ人だけが登録可能な栄養士リストがあります。

自分の住んでいる国などで栄養士の検索をかけることができます。

2023年5月9日時点で日本では3名の方が登録されています。

Monashアプリのまとめ

Monashアプリは情報の信頼性が非常に高く、機能も低FODMAPダイエットに特化して充実しているのが特徴です。

低FODMAPダイエットの自己実践と記録がこのアプリ1つで可能と言えるほどの充実度です。

有料で日本語非対応なのは使いづらい印象ですが、価格に見合うだけの内容となっています。

続いてFODMAP Friendlyアプリを見て行きます。

FODMAP Friendlyアプリの詳細

😄無料でFODMAP情報にアクセスできる

😞日々の記録はできず、日本語非対応

メリット①食品のFODMAP判別が豊富で見やすい

FODMAP Friendlyアプリも食品の高/低FODMAPの判定のリストが掲載されており、穀物の部類では80種類の食品が登録されています。

赤と緑の2色でFODMAPの高/低をシンプルに表現し、1食当り最大で摂取しても良い量を追加で閲覧することが可能です。

情報の量や細かさではMonashアプリに劣るものの、見やすい画面構成となっており、低FODMAPダイエットを行う際の指標になります。

メリット②無料で使用できる

FODMAP Friendlyアプリは無料で使用が可能です。

手軽にFODMAP情報に親しみたい人にとっては強い味方です。

メリット③低FODMAPレシピが掲載

レシピの数は20件とMonashアプリより少ないですが、無料で低FODMAPレシピを閲覧できるのは嬉しいポイントです。

こちらもMonashアプリ同様、欧米の食事が基本になっています。

デメリット①ダイアリー機能がない

日々の記録を付ける機能は搭載されていません。

腸活の記録を付けたい場合は別のアプリなどを探す必要が生じます。

デメリット②日本語に非対応

アプリは英語に対応しており、日本語には本記事執筆時点で未対応です。

日本語メインで生活している方にとってはMonashアプリと同様の使い勝手の悪さが想定されます。

その他の特徴①FODMAP Friendly認証製品の検索が可能

FODMAP Friendlyのテストにパスして低FODMAPと認証された製品の検索が可能です。

日本国内の商品では以下の2点が掲載されています。

玉ねぎ・にんにく・小麦粉を使っていないレトルトカレー(Fodyou)

LOFOMA+ COOKIES (ロフォマクッキー)イチゴ味 (LOFOMA+)

2023年5月9日時点では上記の2商品が掲載されています。

→Fodyouのレトルトカレーを購入するならこちら (Fodyouオンラインストア)

→LOFOMA+のクッキーを購入するならこちら (LOFOMA+ブランドサイト)

その他の特徴②栄養士検索機能

各国のエリア別で登録している栄養士を検索できます。

全ての栄養士の方が低FODMAPダイエットに対応しているかは未確認です。

2023年5月9日時点で登録されている栄養士は日本では0名でした。

FODMAP Friendlyアプリのまとめ

FODMAP Friendlyアプリは無料で信頼性のある情報が手に入るのがメリットでした。

その反面、日々の記録をする機能はないので低FODMAPダイエットをこのアプリ一つで完結させるのは難しそうです。

続いて腸活記録アプリを見て行きます。

腸活記録アプリの詳細

😄記録機能あり、日本語に対応、無料

😞FODMAPに関する情報は少ない

メリット①ダイアリー機能が充実

腸活記録アプリはMonashアプリとは違った形で、日々の記録機能が充実しています。

食品、食事

排便の状態、量、ガス、腹痛

排尿の量、色、匂い、その他

保存した記録はグラフで表現され視覚的に分かりやすくなっています。

食事についても低FODMAP中心かどうかの表示があり、FODMAPを意識した体調管理をサポートしています。

また、特定の疾患の治療を目的としたものではなく、あくまで個人の体調管理活動を記録するのが目的のようです。

メリット②食品や料理のオリジナル登録機能

食品の登録を自分で行うことができ、分類や自分にとっての高/低を設定することが可能です。

登録した食品は記録画面の食材の一覧に追加されるので、自分なりのメニューなども追加して日々の食事記録をカスタマイズできます。

メリット③無料で日本語対応

腸活記録アプリは無料で使用が可能です。

FODMAPを意識した体調管理を手軽に始めることができます。

また、日本語に対応しているので英語に馴染みのない日本人にも使いやすいアプリと言えそうです。

デメリット①FODMAPに関する情報の量と質

腸活記録アプリは食品や食事の記録の選択項目に、▲(高い)、▼(低い)の表示が出ます。

食品数は他の2つのアプリに比べると少なめで、穀物の部類では46種類の食品が登録されていました。

また、食品ごとの高/低の判別は出典の記載がなく、古い情報が元になっているように見受けます。

今回はiOS版のアプリを使用しましたが、利用規約、プライバシーポリシー、著作権表示の項目が空白の表示となっていました。

デメリット②Androidには非対応

記事執筆時点ではAndroid版は見つけることができませんでした。

スマホユーザーにとっては導入がしづらいかもしれません。

その他の特徴①iPhoneアプリ「ヘルスケア」と連携可能

iPhoneに搭載されている「ヘルスケア」とアプリ間連携が可能です。

こちらは毎日の歩数を読み込んでグラフ表示するという機能で、体調管理の一助となりそうです。

その他の特徴②ウィジェットを追加できる

iPhoneのウィジェットとして専用画面への追加が可能です。

必要な情報をウィジェットでまとめて管理している人にとっては嬉しい機能です。

腸活記録アプリのまとめ

腸活記録アプリは体調管理の記録を無料かつ日本語で手軽に付けられるのが利点です。

その反面、FODMAPに関する情報の量や質は他のアプリには劣る点には注意が必要です。

各アプリの比較表

これまでのメリットやデメリットを比較の一覧表にまとめました。

「基本構成」、「食品情報と信頼性」、「記録機能とレシピ」、「その他の機能」の4つの観点で作成しています。

基本構成

価格対応OS日本語
MonashアプリiOS:$12.99
Android:¥887
iOS/Android×
FODMAP Friendlyアプリ無料iOS/Android×
腸活記録アプリ無料iOS

食品情報と信頼性

食品数重さやFODMAP別情報信頼性
Monashアプリ・かなり多い
・穀物で約100種
(認証商品除く)
・3段階で記載FODMAP別の表示あり
・細かい補足説明がある場合も
FODMAP Friendlyアプリ・多い
・穀物で80種
・2段階で記載
・FODMAP別の表示あり
腸活記録アプリ・少ない
・穀物で46種
なし

記録機能とレシピ

ダイアリー機能パーソナライズ機能レシピ数
Monashアプリ・食事
・症状
・FODMAPチャレンジ
・ストレス
・排便
・FODMAP耐性に基づく食品のフィルター機能
・お気に入り登録
多い
(70件以上)
FODMAP Friendlyアプリなしなし少ない
(20件)
腸活記録アプリ・食事
・排便
・排尿
・歩数
自分にとっての高/低を登録すると食品の一覧に追加される0件

その他の機能

認証商品検索栄養士検索その他
Monashアプリショッピングリスト機能
FODMAP Friendlyアプリ
腸活記録アプリ××「ヘルスケア」アプリと連携

今回のまとめ

本格的に低FODMAPダイエットを行うにはMonashアプリがおすすめ

各アプリで長所と短所がありますが、低FODMAPダイエットのサポートという観点から見るとMonashアプリが最も機能的に優れているのでおすすめです

価格は有料ではあるものの、1回購入すればずっと使える買い切り型です。

低FODMAPダイエットのサポートを専門家に依頼するよりは安価で、充実した情報と機能が手に入ります。

日本語に対応していないのが使いづらい点ではありますが、工夫次第で乗り越えられる可能性もあります。

例えば、食品一覧やレシピなどは国内の情報で確認し、日々の体調の記録やFODMAPチャレンジ記録をMonashアプリで詳細に付ける、などの使い方です。

このように部分的に活用するだけでも低FODMAPダイエットの強力なサポートになるので、本格的に実践する人にとっては使用する価値のあるアプリと言えます。

FODMAP情報の閲覧を中心に行うにはFODMAP Friendlyアプリがおすすめ

低FODMAPダイエットを始めたい訳ではなく信頼できるFODMAP情報を無料で閲覧したい、という場合はFODMAP Friendlyアプリがおすすめです。

こちらも日本語には非対応なので使いづらさはありますが、充実したFODMAP情報に無料でアクセスできるのが利点です。

手軽に食事や排便の記録をつけるには腸活支援アプリがおすすめ

FODMAPにも気を配りながら日々の体調記録を付けたい、という場合は腸活記録アプリがおすすめです。

情報の量と質では他の2つのアプリが優れていますが、腸活記録アプリは無料かつ日本語で使用できるので体調管理をサクサクと記録したい人の強い味方となってくれそうです。

いかがでしたか?

今回は低FODMAPダイエットを日本人が行うという視点に基づいて3つのアプリを紹介しました。

難しい食事療法というイメージも、色々な知識や情報を得ることで自分にもできると思えるようになるかもしれません。

まだアプリを試したことのない人は、先ずは自分の生活にあったアプリの使用を検討してみてはいかがでしょうか?

最後までお読み頂き有難うございました。

この記事を書いた人

帆秋 慎太郎(Monash低FODMAP栄養士コース修了)
帆秋 慎太郎(Monash低FODMAP栄養士コース修了)
東洋物産株式会社 丸寿産業株式会社 代表取締役社長

大分県で卵・業務用食品の卸売業を営む会社の3代目。
2020年、自身がお腹が敏感な体質であることをきっかけに低FODMAPに関する事業準備を開始。
2022年、低FODMAPに関する情報サイト『みんなの低FODMAPひろば』を立ち上げ。
同2022年、おなかを気づかう人のためのスイーツブランド『LOFOMA+(ロフォマプラス)』の展開をスタート。
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