はじめての低FODMAPシリーズ

みんなの低FODMAPひろば運営チーム
2023.08.07 14:12

低FODMAPチャレンジ期を知ろう!(はじめての低FODMAPシリーズ④)

(このページの更新日:2023年8月7日)

「低FODMAPチャレンジ期」の画像です。

低FODMAPダイエットの最初のステップである除去期を終えたら、次はチャレンジ期です。

チャレンジ期では除去期と違い高FODMAPを一定の手順で取り入れていくため、やり方が分からずに挫折してしまう人も少なくありません。

自分のおなかと向き合い正しい方法で挑戦していくことが重要なチャレンジ期。

この記事ではチャレンジ期の取り組み方と留意点について解説します。

低FODMAPダイエットのチャレンジ期について

こちらでは低FODMAPダイエットのチャレンジ期をご紹介します。

除去期が無事終わった~。
ロフォマな生活にもだいぶ慣れてきたよ!

おめでとうございます。次はチャレンジ期ですね!
1種類ずつFODMAPを試して行きましょう!

ちょっと不安だなぁ。。。
またおなかの調子を悪くしたくないし。。。
このままじゃダメなの?

その気持ち、わかります。
せっかく体調がよくなったのに高FODMAPを入れて崩したくないって思いますよね。

でも、長い目で見た時に栄養面や実生活の上でチャレンジ期が大事な役割を果たすんですよね。先生?

そうですね。
チャレンジ期を実践する意義や目的は以下のように言われています。

チャレンジ期の目的と意義

「チャレンジ期の意義と目的」の画像です

(ページ下部の参考文献①、②、⑤を元に当サイトが作成)

人によって異なるFODMAP耐性

最初の除去期ではFODMAPを体から取り除くため、全ての種類のFODMAPを避けた食事をします。

この過程でおなかの調子が良くなった人は、チャレンジ期に入り再びおなかの問題の再発を招くことや、細かい食事の管理が発生するのを面倒に感じることがあるかもしれません。

たしかにその時の状況だけで考えるとそのまま除去期を続ければいいように思えてしまいますが、長期的な視野に立つとデメリットもあると言われています。

そういったデメリットを解消するためにも、以下のような観点から次のステップに進むことが推奨されています。

  • 腸内環境に良い影響を与えるため
  • 不足しがちなカルシウム、鉄分、食物繊維の摂取を増やすため(※1)
  • 負担になるような食事制限を避け、食事という社会的な営みを良くするため

本来、低FODMAPダイエットは「FODMAPを全く摂らない食事法」ではなく、以下のようなことが目的です。

低FODMAP+自分に合う高FODMAP食品で

症状につながるFODMAPの摂取量を抑え

おなかの悩みや問題を起こりにくくする

従って、除去期は「ホップ、ステップ、ジャンプ」の第一歩に過ぎませんので、いつまでもそこに留まっていて良いわけではないと考えましょう。

繊細なおなかの人はそれぞれ異なったFODMAP耐性(※2)を持っています。

チャレンジ期はその耐性を知り、その後の食生活の基礎を立てる上でとても重要な期間です。

どのFODMAPが自分のおなかの問題を引き起こすのか、また、どのFODMAPであれば自分のおなかが耐性を持っているのかをしっかりと把握していきましょう。

(※1)除去期で不足されるとされる栄養素は、オーストラリアの一般的な家庭食と比較した場合と考えられ、日本人が除去期を行った場合にも一概に不足するとは言えない可能性があります。

(※2)「FODMAP耐性」は「FODMAPを摂ってもおなかが大丈夫な(おなかの問題を起こさない)許容範囲」の意味で用いています。

パーソナライズ期との違い

チャレンジ期は「自分に合うFODMAPを知る」ことが目的です。

対して、パーソナライズ期では自分に合ったFODMAPの情報を元に「食事の範囲を広げる」ことが目的となります。

「FODMAP摂取量を制限する」ことから「摂取できるFODMAPを知っていく」視点に立って、新しい食生活を作っていくのがパーソナライズ期です。

可能な限り健康的で栄養バランスの良い食事を摂り、食事の楽しみを増やし、食事に伴う人間同士のコミュニケーションなども促進することで、QOLを良くすることが期待されます。

そうでしたね。
低FODMAPダイエットは本来、自分のおなかに合った食生活を作るための食事法ですものね。

そうですよ。思い出してくれてよかった。

でもしばらく高FODMAPを制限し続けてきたから、段階的にって言われてもイメージが湧きません。

確かにそうですね。具体的なスケジュール例で考えてみましょう。


チャレンジ期の取り組み方

低FODMAPダイエットの最初のステップである除去期を経ておなかの調子は良くなりましたか?

(「除去期」はチャレンジ期に入る前の完全に低FODMAPな期間を含む2~6週間の期間を指します。

低FODMAPダイエットのステップについてはおなかの問題が起こる流れと低FODMAPダイエットのステップの記事で解説しています。)

体からFODMAPが抜けておなかの調子が良くなっていたら次のステップ、6〜8週間のチャレンジ期を開始しましょう。

チャレンジ期の日程はおおよそ1週間を1つの単位とし、それを前半と後半に分けます。

前半の3日間は完全な低FODMAPダイエットに加え、特定のFODMAP1種類のみが高い食品を1日1回摂取し、少しずつ増やします。

後半の2〜3日では再び完全な低FODMAPダイエットに戻り、前半で体に取り入れたFODMAPが抜ける「ウォッシュアウト」期間を設けます。

この約1週間程度の日程で1つのFODMAPに対する耐性をテストするので、全てを終了するのに6〜8週間ほどかかります。

「FODMAPって大きく分けて4種類なのに6週間?」と思う人もいるかもしません。

この過程では以下の6種類の分類で見ていくため、予備も含め上記のような期間が必要となります。

  • フルクタン(O)  ー ニンニク、玉ねぎ、小麦粉など
  • ガラクトオリゴ糖(O) ー 大豆など
  • 乳糖(D) ー 牛乳など
  • 果糖(M) ー 蜂蜜など
  • ソルビトール(P) ー アボカドなど
  • マンニトール(P) ー きのこ類など

(FODMAPについての解説はFODMAPを知って食生活を考えようの記事をご覧ください。)

チャレンジ期のスケジュール例

「チャレンジ期のスケジュール例」の画像です。

※表中のスペースの都合により「高FODMAP」を一部で「高フォド」と表しています。

(ページ下部の参考文献①、②を元に当サイトが作成)

症状と耐性の記録

このように約1週間ごとにFODMAPの耐性をテストしながら、食べた食品とおなかの反応を記録します。

以下のような項目を記録し、自分だけのFODMAP日記を作りましょう。

  • 日付
  • 摂取した食品とFODMAP種別

(例:牛乳、乳糖)

(例:コップ半分100ml)

  • 症状の有無や程度、種類

(例:軽い下痢)

チャレンジ期の記録例

「チャレンジ期の記録例」の画像です。

※記録シートは以下からダウンロードして下さい。

また、次の4項目を意識しておなかの調子を観察すると、FODMAP耐性の理解に役立ちます。

(ページ下部の参考文献①、②、③を元に当サイトが作成)

FODMAPの耐性に影響する4つの要素

「FODMAPの耐性に影響する4つの要素」の画像です。

からだの応答とその後の摂取

チャレンジ期の各週でFODMAPの耐性を明らかにすると、おおむね以下のような3パターンでその後の摂取の仕方が分かれます。

このパターンに基づいて、パーソナライズ期ではより自分に合った食生活を築いていくこととなります。

「からだの応答とその後の摂取」の画像です。

(ページ下部の参考文献①、②を元に当サイトが作成)

なるほど、こういった日程なら今どの段階にいるのか理解しながらできそうですね。

実践できるイメージが湧いてきましたか?

う~ん。
FODMAPの種類を覚えていないから、どの食品が何にチャレンジできるのか分からないです。

自分に合った献立を専門家に依頼するのが一番ですので、代表的な高FODMAP食品のチャレンジ例のみ紹介します。

FODMAPチャレンジフード例

「FODMAPチャレンジフード7例」の画像です

※「フルクタン②」の右の欄にある「ねぎ」は「ねぎの白い部分」を指します。

(ページ下部の参考文献①、④を元に当サイトが作成)

食品も具体的にわかると印象がだいぶ違いますね!とっても理解が進みました。

他にも何か気をつけることはありますか?

気持ちに余裕が出てきたようですね。以下のことも留意しておいて下さい。


チャレンジ期の留意点

除去期と比べて複雑そうなチャレンジ期ですが、これまでの内容からイメージもついて来たのではないでしょうか?

ここでは備考として留意点をご紹介します。

除去期でおなかの問題は良くなっていますか?

低FODMAPダイエットが有効なのはあくまで繊細なおなかの人の4人に3人と言われています。

除去期の期間でおなかの問題が良くなっていないのにチャレンジ期に進む事は推奨されていません。

別の方法の可能性を確認するため専門の医師の診断を受けましょう。

タイミングは人それぞれ

チャレンジ期に入るタイミングは除去期でのおなかの問題が良くなった程度やタイミングによりますので、人によって異なってきます。

必ずしも除去期を6週間過ごさないといけない、というわけではありません。

チャレンジの順序も人それぞれ

体質や元の食生活などを考慮してチャレンジするFODMAPの順序を検討しましょう。

耐性が高いと思われるFODMAPに早い段階で挑戦し自信を付ける、というのも一つの手です。

おなかに合ったチャレンジの仕方を

食品によっては頻度を1日置きにしたり、摂取量を調整したりして、柔軟にチャレンジの仕方を変更します。

著しくおなかの問題を悪くするような食品の場合は一旦摂取をストップするなどの措置も必要です。

複数の食品を試す

1品だけで判断せず、同じFODMAPのカテゴリで様々な食品を試すとより詳しい耐性の評価が可能になります。

定期的にチャレンジする

体調の変化などによりFODMAPに対する耐性が変わる場合があるので、その後もチャレンジを繰り返すことが推奨されます。

実生活に合ったテストの仕方を

自分の食生活に合ったチャレンジフードの選択を心がけましょう。

例えばあなたが普段摂取する乳製品が牛乳だけでコップ半分しか飲まない場合は、チャレンジでコップ1杯の牛乳を試しても生活の実情に沿っていないことになります。

また、FODMAPのテストが正式に行われていないような普段よく食べている日本の食材についても、チャレンジ期に挑戦してみることで自分の耐性を知ることができ、その後の食生活に安心して活用することができます。

一人で難しい場合は無理をしない

普段から料理をしない人などの場合、チャレンジ期の内容に厳密に沿った献立を立てるのは難しいかもしれません。

そういった場合は無理をせず、近くの専門家に相談しサポートを得るようにしましょう。

わかりました!たしかに一人だと大変な面もありますね。
知り合いの栄養士さんにも相談してみようと思います。

そうですね。
専門家のサポートを得て、適切な方法で間違いなどが無いようにチャレンジして行きましょう。

当サイトのレシピにチャレンジ食材を1品足してみるなどの活用もして頂けると嬉しいです!

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【参考ページ、文献等】

①https://www.monashfodmap.com/blog/practical-tips-fodmap-reintroduction/

②https://www.monashfodmap.com/blog/low-fodmap-diet-not-lifetime-diet/

③https://www.fodmapeveryday.com/low-fodmap-diet-not-just-elimination/

④Kate Scaralata and Dede Wilson , “The LOW-FODMAP DIET Step by Step” , 2017 ,  Da Capo lifelong ,  20-30

⑤MONASH University , “MONASH UNIVERSITY LOW FODMAP DIET GUIDE”,  2017 ,15


このページの監修者

塩田 純也

医学博士・長崎大学病院消化器内科 助教

大分県出身、大分大学医学部を卒業。

2014年長崎大学消化器内科に入局。

2017年アメリカミシガン大学へ留学し基礎研究に従事する。

2020年に帰国、長崎大学病院の消化器内科で幅広く診療を行っている。

患者さんが家庭で実践できる栄養療法について、医師・薬剤師・栄養士と多職種で連携し、患者さんに寄り添った診療を目標に日々奮闘中。

この記事を書いた人

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